こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの吉田です。
今回は、投資について少し書いてみようと思います。
投資、つまり資産運用なんですが、ここ最近少し熱いですよね。例えば楽天証券やSBI証券の口座開設数がコロナ禍にあって急増したことなどは、その象徴といえます。
そもそもは「老後2000万円問題」が大きく取り上げられたことが関心を呼ぶきっかけとなりましたが、ちょうど「iDECO」や「つみたてNISA」といった税制優遇のある制度が整ってきたこともあって、コロナ禍の株価下落がそれを後押しした格好となりました。
ちなみにコロナ禍における口座開設数の増加は世界的な潮流のようで、アメリカやイギリスの大手ネット証券会社では新規口座開設数が2倍、3倍と伸びたようです。
さてさて、こうして投資がちょっと身近なものになってくると、皆さんの周りでも「私も口座つくった」「NISA始めたよ」などといった声が増えてきているかもしれません。
そうすると「…私も始めなきゃだめかしら??」と、ちょっと焦りや不安が出てくるかもしれませんね。そしてこんな疑問が生まれるかもしれません。
「投資って、しなければいけないの?」
「投資って、必要?」
どうでしょう?皆さんならこの疑問にどう答えますか?
自分にとってそれは必要でしょうか?
少しネット検索すれば、たくさんの”専門家”たちによる「投資をしなければならない理由」が出てくると思います。そしてもちろん、それに乗っかって投資をするのも結構だと思います。
では私なら、どう答えましょう。うーん、ちょっと考えてみますね。
あ、こういうのはどうでしょう。
「投資はしなければならないものでも義務でもないし、必要かどうかはその人による」
ですかね。
(待って、閉じないでください汗)
実際、投資ってやらなければならないものではないし、あくまでそういう選択肢もあるよということですよね。そして必要かどうかは、やっぱり個人的なものですから、個別に必要かどうか判断していかなきゃならない。
当たり前なんですけど、まずはこういう大前提に立ち返りたいなと。そのうえで投資について思いを共有していきたいなと思うのです。
例えば必要性ということで例を挙げてみます。
ここにある富裕層の人がいて(仮にAさん)、その人は資産をたくさん持っているし事業も持っている。事業は順調で毎月多くの収入を得ている。
こういう人の場合、いわゆる投資・資産運用って必要でしょうか?
もう一人、富裕層の人がいる(仮にBさん)、この人はAさんと同じようにたくさんの資産を持っている。しかし働いておらず支出はもっぱら資産の取り崩しで賄っている。
この場合はどうでしょう?
一般論として、AさんよりはBさんのほうが投資・資産運用が必要そうですよね。
同じ富裕層であっても個々にフォーカスしてみれば、必要性は変わってくるわけです。
(この例の場合、一般的にAさんは投資好きなパターンが多いですが)
ではもう少し掘り下げて。
例えば、私のようなFPがシミュレーションを行った結果、投資をしたほうが良いかもしれないという結論を出したとします。
じゃあ投資しなければいけないのか?
これも結局はその人個々の判断、もうちょっというと、その人の投資に対する好み(要するに好き好き)になってくると思ってます。
さっきの例のBさん。もし投資が必要だよとアドバイザーに言われたとしても、Bさんが投資は性に合わない等の考えがあれば、する必要はないかもしれません。その場合は別の方法を考えればよいのです。
投資って、向き不向き・好き嫌いがやっぱりあります。実際のところこういうのってとても主観的なものだし、客観的にみて必要だとされても、主観的にみて好ましいかどうか判断すればいいですし、そういうことも大事にしてもいいと思うのです。
投資って、そもそもそういうものじゃないですか。
周りをみて焦らない・惑わされないこと
さて、なぜこういうことを記事にしているかというと、理由があります。
冒頭にも書いた通り、いまちょっとした投資ブームが到来しています。若い方を中心につみたてNISAの開設数も増加しています。
ただまだこれは序の口で、これから数年かけてもっと証券投資が身近になってくると予想されます。長年、国が「貯蓄から投資へ」の流れを後押ししてきました。手数料も劇的に下がりました。デジタル化の進展も著しいです。スマホを使って手軽に手の平の上で証券投資が出来るようになりました。もうしばらくしたら、スマホに給与が振り込まれるようになっていくでしょう。気づいたら自分以外の周りはみんな、普通に投資をしているかもしれない。
きっと、「まだ投資してないの?」と煽る人も出てくるでしょう。
そんなときに、周りの状況をみて焦らないでほしいのです。社会保障問題がある、投資優遇制度がある、スマホでどんどん投資がやり易くなっていく…。そんななかで私だけ取り残されるんじゃないか、投資も出来ない私なんてダメなんじゃないか、などと思わないでほしいのです。
だって必要かどうかはその人によるんだから。
投資は数ある選択肢のうちの一つなんだから。
投資なんてその程度のもの。そういうふうに思っていただければと思います。
これ裏を返しますと、ブームに流されて冷静になれなくて投資を始めた人が、もし株価大暴落に襲われたらどうなるでしょうか?
「○○さんに言われて投資を始めたのにこんな大損してしまった。やっぱり投資ってロクなものじゃないんだ!」
…いやいや、それは違いますよね。
そんな風にならない為に、冷静に自分を見つめて投資と付き合っていただけたらと思います。
ところで、いまの投資ブームはつみたてNISAの口座開設がけん引していて、昔のような投資ブーム・投資バブルに比べれば随分堅実だと感じます。これはとても健全な傾向だと思いますし、本当に私たち一般人に長期投資が根付くチャンスかもしれません。
つみたてNISAなんて、投資の向き不向き・好き嫌いなんて何の関係もなく出来ますからね。
私自身は、もっと多くの人がNISAやiDECOのような制度を利用して投資をしてほしいと思っています。投資を通じて世の中の色々な事に関心が持てますし、知識も付きます。世の中を乗りこなしていくためのとっても良いツールになるとともに、結果としてちょっとお金も増えたら嬉しいですね。
そんなことで、「じゃあ私にとって投資は必要?」と思ったら、そして「そんなことを相談できるところはないの?」と思ったら、ぜひご連絡ください。
一緒に考えていきましょう。