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【ちょっと得する行動経済学】LINEスタンプが欲しくなる??

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの吉田です。

今回は「ちょっと得する行動経済学」シリーズと題して書いていきたいと思います。

巷間にあふれるお金に関するあれこれについて、行動心理学、行動経済学的に見たらどうなるだろう?という視点でいきたいなと思ってます。

特に自分が買い手の場合ですね。

思わず○○を買ってしまうな~という時、どういう心理が働いているのか、売り手側はどのように買ってもらおうとそれを促進しているのか、が分かるかもしれません。

家計管理をしっかりしていきたいと思ったとき、ちょっと知っておくと余計な出費をしなくなるかもしれませんので、必見です。

今回はみんな使っているLINEの、「LINEスタンプ」を取り上げてみます。

「超スタンプ祭」でスタンプ使い放題

いまLINEでは「超スタンプ祭」と称して、期間限定でスタンプを使い放題できるキャンペーンをしていますね。

通常だと月額制で、支払いをしながらでないと使い放題は利用できないのですが、この期間に限っては無料でそこを解放しているわけです。

使い放題プランを試したことのないユーザーに使ってみてもらおうという戦略ですね。

無料で使えますが、でもこの期間が終了したからといって勝手に課金されるわけではありません。

よくあるのが、一定期間無料だけどそれを1日でも超えたら即課金されるというもの。

こういうのだとユーザーも安心して使えませんよね。海外のサービスだとこういうことがよくありますが、はっきり言ってクレームになりやすい。

LINEはそこをちゃんと考えてて、キャンペーン期間が終了しても課金はされません、と明確に記載しています。

さすがにそこは日本最大級のインフラサービスとしての矜持を感じさせます。

でまあ、それはいいんです。それはいいんですが…

この無料期間中にダウンロードしたスタンプって、どうなるでしょう??

キャンペーン期間が終了したら、使えなくなりますよね?

よくある、利用期間が限定されている無料スタンプと同じ扱いだと思います。

ということは、

そのスタンプが欲しければ、

使い放題プランに入るか、単品で購入するかしなければなりません。

これ、意味わかりますか?

保有効果が働いて、欲しくなってしまう

これまで課金しようかどうか迷っていたようなスタンプも、あまり見たことがなかったスタンプも、無料期間中であれば好きなだけダウンロードできます。そして好きなだけ試すことができる。

ところが、一旦手に入れたスタンプが、期間終了後は使えないとなると、途端に惜しくなってしまうわけです。

べつに購入したわけでもない、「はい、無料で使ってみてもらっていいですよ」と言われて使ったものであったとしても、「はい、期間終了したので一旦返してね」と、いわば取り上げられた様な状態になると、ものすごく惜しい、損した気持ちになってしまうのですね。

だからそれを取り返すべく、課金する行動に出るわけです。

こういうのを行動経済学的には「保有効果」といいます。

無料お試しキャンペーンで実物を触ってもらい、使ってもらう。しかも、そこそこの期間それを試してもらう。

そうすることで顧客は、もう自分がそれを手に入れたものと思ってしまう。

なので、いざそれを返してくださいとなると、「いや、それはちょっと無理です」となってしまうのです。

今回のLINEも、「無料期間が終わっても、決して課金しませんから」と明確に表示して、安心して使っていただくよう場を整えているわけですが、その実は、保有効果が働くことを知っているのです。

とても丁寧で巧妙ですね 笑

キャンペーン終了後、おそらく結構な数の単品購入が増えるのではないかと私は予想しています。

かくいう私も、いくつか買ってしまいそうです 笑

(いやだからこそ、こういう記事にしたのですが…)

さて、ここから学べることは、こうした無料お試し的なものを試すのは良いのですが、保有効果が働いてしまうかもしれないことを念頭に置いて試すことです。

はっきり言って、この手のことは皆さんすでにご存じのことだろうと思いますが、でもこういう効果は強力なのです。

しかも今回のLINEキャンペーンは、保有効果ということを忘れさせる施策を打ってきています。無料期間が終わっても課金しませんということを強調していたり、本来は使い放題プランのお試しであったりするからです。だからダウンロードすることに、あまり抵抗がありません。(←どうせ使い放題プランにはしないしって思っちゃうわけです)

LINEスタンプ自体はひとつ数百円のものですから、それほど家計に関係するものでもありません。しかしこうした心の仕組みに対して、もし明確に意識できていないとすると、どこかで家計に痛みが走ることになるかもしれませんね。

ということで、いかがでしたでしょうか?

よければ、またシリーズ化していきますね。

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