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資産運用の誤解:まとまったお金がないと、投資できない?

こんちには、ファイナンシャル・プランナーの吉田です。

相談の現場で色々な方と話していて、ときどき思うことがあります。

それは、資産運用についてちょっと誤解しているかも?という点です。

既に投資を経験している人にとっては何てことないことでも、経験がない人にとっては「ある種のこと」が思い込みになっているケースがあります。

今回からそんな、「資産運用の誤解」シリーズを(時々)展開したいと思います。

記念すべき?第一回は「まとまったお金がないと、投資できない?」についてです。

目次

なぜ、まとまったお金がないと運用できないと思うのか?

「私には投資ができるほどまとまったお金がないから」
「投資って、ある程度資金が必要でしょう?」

と仰る方が一定数いらっしゃいます。

実はこれ、ある意味で根強い思い込みのひとつです。

手元に100万円とか1000万円とか、自分の思う「まとまったお金」がないと、投資・運用などしてはいけないんでしょう?と思っていると。

実際には、そんなことはないわけです。

月10,000円からでも、5,000円からでも出来ることですし、いや何なら500円とか100円(!)からでも投資できるところもあります。現在の証券会社ってすごいですね:D

そう、インターネット発展期以前の、そもそも証券口座を開くこと自体ハードルが高かった時代なら話は分かるんです。積立投資なんて全く一般的ではなかったですし、投資信託なんて見向きもされず、株式か債券くらいしか対象がなかった時代ですから、そりゃまとまったお金が必要でした。

しかし40代以下の方にとっては、そんなのは「いつの時代の話だ!」でしょう。

そこで、これらをもう少し考えてみると以下のような事柄が思い浮かびます。

  1. 投資は一括でしないといけない
  2. 生活資金(まとまったお金)を準備したうえでしなければいけない

こういったことが考えの根底にあるのではないかと思います。

これらについて、少し解説します。

生活資金を準備してからでないと、できないか?

先に2.のほうを解説したいと思います。

ここでいう生活資金とは、生活防衛資金のことですね。生活上、何か不測の事態が起こったときに対応できるように、ある程度貯金が必要というものです。例えば急に病気になって、しばらく休まなきゃいけなくなった時とか。

一般的に、毎月の生活費×3ヶ月分とか、6ヶ月分とか言われますね。その数字にどれほど根拠があるかは別にして、生活の基礎として自分が安心できる程度の準備をしてから投資に臨みたい、としているように見えます。

これ自体は、とても健全に思えます。確かに、安心感がありますね。

しかしこの奥には、「投資資金は無くなるもの」という前提が隠されているようにも感じます。

だから「安心できる量のお金を確保してから行いたい」わけですね。

「じゅうぶんお金が貯まってから投資始めよう」みたいな。

でも私からすると、それは少々時間がもったいないと思うのです。

現在では「少額から・積立てながら」運用を行うことが可能な世の中になりました。ですから、生活防衛資金の貯蓄と同時並行で行っても、負担は少ないんじゃないか?と思います。

運用は早く始めれば始めるほど、その恩恵を受けやすくなります。そして投資資金は無くなるわけじゃありません。良い時もあれば悪い時もあって、そうしたことを経験しながら、気付いたらそれなりの金額になっているものなのです。

これは生活防衛資金のことだけじゃなく、住宅の頭金だったり、教育資金を貯めていきたいという場合も同様の考え方になります。

一括投資じゃないと、してはいけないのか?

もうひとつ、「投資は一括でしないといけない」という思い込みです。

これは先ほどの例でみたように、毎月貯蓄できる額の内、ほんの少しでいいので運用に回すようにすること。こうすれば、まとまった資金は必要ありません。これがひとつの解決法になるでしょう。

ただ、もうひとつ別の面での思い込みもあります。特に既にある程度の資金を持っている方に当てはまりやすいことです。

それは「手持ちの余裕資金を、一度にすべて運用しなければいけない」という思い込みです。

まとまった余裕資金があると、その時・そのタイミングで全部どこかに預けなきゃいけない、投資しなければいけない、という謎の強迫観念です(笑

もちろんそんなことをする必要はなくて、手元に100万円や1000万円があったとしても、少しずつ、小出しに運用に回していけばよいのです。

時間分散の考え方ですね。

これは様々な意味でリスク分散になります。

まず、こうすることで高値掴みを避けることができます。時期をずらしながら運用することで、平均単価を下げる効果も期待できます。手元にすぐに引き出せる資金が確保できていることから安心感が生まれます。そしていつでも機動的に投資対象を変えたりすることができます。

しかも「まとまったお金で投資」という気分的リスクを避けて、いまから少額で始めることができる。

いいこと尽くしです:)

例えばですね、月5,000円を積み立てながら運用するとしたら、年間60,000円積み立てられるじゃないですか。

「たった6万円かよ!」と思うかもしれませんが、これが5年前、10年前に運用を始めていたら、その6万円はどうなっていると思いますか?そしてこれを続けていたら、運用資金のボリューム自体が増えていきますよね。

10%増えていたとしても、6万円の1.1倍と、600万円の1.1倍では絶対額が変わってきます。

そんなわけで、投資はまとまったお金がないとできない、という思い込みを払拭するには、少しずつ積立てながら投資することが有効だと分かりました。

最初に書きましたように、今は積み立て投資が簡単に出来る時代です。しかもそれによる手数料もかかりません。100円からでも出来る時代です。運用に慣れるにはもってこいの環境が整いました。

思い込みを外し、一歩踏み出すチャンスですね。

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